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高原をわたる風が、少し冷たさを帯びてきました。
秋の光を浴びて揺れるススキは、ただの草原を
一面の銀色の海へと変えていきます。

まだ穂が開ききらぬとき、ススキは小さなハートを描きます。
自然の気まぐれな贈りものに出会ったようで、
胸の奥がふっと温かくなる瞬間です。
やがてゲレンデいっぱいに広がるススキの群れ。
夕日を受けて銀色に燃えるその光景は、
まるで高原全体がひとつの詩を奏でているかのようです。

らかん高原にひとつだけ立つ柿の木。
今年も実をつけましたが、あまりの渋さに
カラスさえ口をつけません。
誰にも食べられぬその実は、
ただ秋の証として枝に揺れ、
静かに季節を見届けています。
もしかすると、クマもこの渋さを知っていて
来なくなったのかもしれません。
秋のらかん高原は、派手さではなく、
小さな気づきや静かな佇まいの中に
豊かさを隠しています。
夕暮れ、風に揺れるススキに耳を澄ませれば、
そこにはきっと、秋だけが奏でられる音楽が流れています。